※当院では分娩は取り扱っておりませんので、妊娠の初期診断のみとなります。
原因は | 考えられる病気 | 検査には |
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妊娠 | ・切迫流産 ・子宮外妊娠 |
・超音波検査 ・妊娠反応 |
悪性疾患 | ・子宮頚部がん ・子宮体部がん |
・子宮膣部細胞診 ・超音波検査 ・子宮内膜細胞診 ・子宮内膜組織診 |
子宮膣部の炎症 |
・子宮頚部クラミジア感染 ・子宮頚部淋菌感染 ・膣壁損傷 |
・クラミジア同定検査 ・淋菌同定検査 |
子宮腫大、内腔不整、突出病変 | ・子宮筋腫(粘膜下) ・子宮腺筋症※1 ・子宮頸管ポリープ ・子宮内膜ポリープ |
・超音波検査 ・(MRI:他病院紹介) ・子宮鏡検査 |
子宮・膣以外からの出血 | ・尿道・肛門から出血 (尿道脱・膀胱炎・痔核他) |
・検尿 ・肛門診 ・(外科・泌尿器科紹介) |
原因が分からず | ・機能性子宮出血 | ・上記の検査で不明 ・基礎体温測定 |
原因は | 考えられる病気 | 検査には |
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妊娠 | ・切迫流産 ・子宮外妊娠 |
・超音波検査 ・妊娠反応 |
子宮・卵管の炎症 | ・子宮内膜炎・卵管炎 | ・内診 ・子宮頚部クラミジア (淋菌)同定検査 ・血液検査 |
子宮・卵巣腫大 | ・子宮筋腫 ・卵巣腫瘍 ・卵巣腫瘍茎捻転※2 |
・超音波検査 ・(MRI:他病院紹介) |
子宮内膜症 周辺臓器との癒着 |
・子宮内膜症※3 | ・超音波検査 (MRI) ・腫瘍マーカー (CA125) |
腹腔内出血 | ・卵巣出血※4 ・子宮外妊娠 |
・超音波検査 ・妊娠反応 ・血液検査 |
婦人科以外の原因 | ・腸管系(虫垂炎・腸炎・憩室炎) ・尿路系(膀胱炎・結石) |
・内診 ・尿検査 ・血液検査 ・外科・泌尿器科紹介 |
原因は | 考えられる病気 | 検査には |
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膣炎・外陰炎 | ・細菌性 ・真菌性 ・トリコモナス性 |
・膣分泌物培養検査 |
皮膚刺激・かぶれ | ・接触性皮膚炎 | ・視診 |
ウイルス性病変 | ・外陰部ヘルペス ・尖圭コンジローマ |
・ウイルス同定検査 ・切除病理検査 |
化膿性病変 損傷 |
・バルトリン腺膿瘍※5 ・毛嚢炎 ・擦過傷 |
・内診・視診 |
萎縮性、加齢 | ・萎縮性膣炎※6 ・萎縮性外陰炎 ・原因不明 |
・内診・視診 |
原因は | 考えられる病気 | 検査には |
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子宮腫大 子宮腫瘍 |
・子宮筋腫 ・子宮腺筋症 |
・内診 ・超音波検査 ・(MRI) |
子宮内腔変形 | ・双角子宮※7 ・子宮粘膜下筋腫 ・子宮内膜ポリープ |
・超音波検査 ・子宮鏡検査 ・(MRI) |
子宮内膜不整 | ・子宮内膜増殖症 | ・超音波検査 ・子宮内膜組織診 |
内科的原因(過多月経) | ・出血傾向 | ・採血 ・内科に紹介 |
原因不明 | ・子宮・卵巣に異常所見なし |
内診はありません。
18歳ぐらいまでは排卵が不安定で、無排卵の周期も多いと言われています。
とくに初経後1年間は80%が無排卵周期との報告もあり、月経不順だけなら多くは年齢とともに改善されますので、様子を見ていいと思います。
もし学校行事や旅行などで月経のタイミングや不正出血をコントロールしたい場合は短期間のホルモン剤を処方します。
ただ月経不順が強く、出血の期間が長くて貧血になるようなら積極的なホルモン治療を勧めることもあります。
内診はありませんが、内診台での診察をお勧めします。
性交渉はなくても膣炎を起こすことがあり、細い綿棒での細菌培養検査を行い、分泌物が多ければ膣錠を割って入れたりします。
処女膜を傷つけることなく、痛みもありません。また外陰部のかゆみが強いなら軟膏も処方します。
1)子宮内膜症※3
生殖年齢の10%の女性が内膜症と言われており、原因は月経血の一部が卵管を通して腹腔内に逆流し、月経血内のごく一部の内膜細胞が子宮周辺の腹膜面に生着、発育して月経のたびに出血して病変部が徐々に拡がっていく病気です。
月経時には病巣部も出血して血液も溜まっていき、古い血液は血糊の様になって周辺と癒着を起こします。
また卵巣の表面の内膜症は卵巣内に病変を巻き込むような形で入り込み、古い血液が貯まるような形でのチョコレート嚢胞に発展していきます。
病変の進行とともに月経痛、骨盤痛、性交痛、排便通などがおこり、不妊症の女性の3~4割に内膜症がみられるとの報告もあります。
2)子宮腺筋症※1
子宮内膜症の親戚みたいなものと理解ください。本来は子宮内腔面を裏打ちしている子宮内膜(粘膜)組織が何らかの原因で連続性に子宮筋層内に侵入し、増殖して月経のたびに出血を繰り返す状態です。
古い血液が筋層内に瀰漫性に浸潤して反応性に子宮筋層が肥厚して子宮壁がゴリゴリ、ゴツゴツと肥厚する病気で、月経痛や過多月経の原因になります。
3)卵巣腫瘍茎捻転※2
卵巣は母指頭大の大きさで、ある程度の余裕をもって扁平な索状の組織で固定されています。
しかし、卵巣が腫大してミカン大ぐらいになると固定している索状の茎部に比べて頭でっかちで不安定になり、ゴロンと卵巣が回転して血管や神経の通っている茎部がねじれて、指の根元を輪ゴムで絞めたように血流障害を起こし、変色して強い痛みを引き起こします。多くは手術が必要です。
4)卵巣出血※4
排卵の際には卵胞が裂けて卵子が排出される訳で、卵巣の一部が裂けて多少の出血を伴います。
殆どの場合すぐに止血しますが、運悪く少し太い目の血管が切れた場合には止血まで時間がかかり、入院の上安静が必要なことがあります。
まれに手術が必要です。
5)双角子宮※7
本来の子宮内腔は扁平な逆二等辺三角形ですが、底辺の子宮底部の筋層が楔状に突出して子宮内腔が左右にウサギの耳の様に分離するような形になった子宮です。
月経困難症や月経過多の原因になることがあります。
6)萎縮性膣炎※6
生殖年齢の女性の膣粘膜は女性ホルモンの刺激で分厚く強靭に維持されています。
しかし、閉経などで女性ホルモンが極端に低下すると膣粘膜は萎縮して非常に薄くもろくなり、接触がなくても淡いオレンジ色の水様性の帯下、かゆみや不快感を訴えることがあります。
内診すると膣の入口は真っ赤に粘膜下出血を起こしていることもしばしばで、症状が強い場合は女性ホルモンの膣錠を挿入すれば大半が軽快します。
ただ乳癌の手術後の場合はこのホルモン剤の膣錠使用に注意が必要です。
7)バルトリン腺膿瘍※5
膣入口の下縁の両サイドにバルトリン腺という粘液を産生、分泌する腺組織がありますが炎症などでバルトリン腺の入口がつまってしまうと産生された粘液が排出できず、溜まる一方で袋状に腫れてきます。
運悪く細菌が繁殖すると更に腫れて痛くて座れなくなりますが、その場合には切開排膿して抗生物質を投与します。