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日帰り手術(子宮鏡下手術、流産手術)

当院の日帰り手術の特徴

当院では、患者様の負担を軽減するため、日帰りで行える手術を実施しています。手術時間が短いため、ほとんどの患者様が当日中にご自宅へお戻りいただけます。

特に、卵管鏡下手術や子宮鏡を使用した内膜ポリープ手術、流産手術などの婦人科手術では、体への負担を最小限に抑え、回復の早さが特長です。そのため、術後も日常生活にスムーズに復帰いただけます。

また、術後の痛みや不快感を軽減するために、適切な処置を施します。必要に応じてフォローアップを行い、患者様が安心して回復できるようサポート体制を整えています。万が一術後に不安な点が生じた場合も、医療スタッフが迅速に対応いたしますので、どうぞご安心ください。

子宮鏡下手術とは?

子宮鏡とは、婦人科で使用される内視鏡の一種です。子宮鏡下手術では、この内視鏡(子宮鏡)を膣から挿入し、専用の液体で子宮を膨らませて処置を行います。手術後に皮膚に傷が残らず、回復が早い点が特徴です。

対象となる疾患

  • 子宮筋腫
  • 子宮内膜ポリープ
  • 子宮内腔癒着 (アッシャーマン症候群)
  • 子宮内壁に突出する病変 (中隔子宮などの子宮形態異常)

メリット

皮膚に傷が残らない

開腹手術とは異なり、内視鏡を膣から挿入するため、皮膚に傷がつかず外見への影響がありません。

痛みが少なく、日常生活への影響が少ない

麻酔を使用して手術を行うため、術中の痛みはほとんどなく、術後の日常生活への影響も最小限に抑えられます。

1癒着しにくく、妊孕性を
維持しやすい

卵管や子宮の癒着が起こりにくく、妊孕性(妊娠能力)を維持しながら治療を完了することが可能です。

 繊細な処置を正確に
実行できる

モニターに映し出された拡大画像を見ながらの手術となるため、微細な処置も正確に行うことができ、手術の安全性を高めています。

費用

子宮鏡下筋腫核出術や子宮内膜ポリープ切除術にかかる治療費は、66,300円(3割負担の場合)となります。

※上記金額は健康保険適用後の目安です。

詳しい費用やお支払い方法については、スタッフまでお気軽にお問い合わせください。

子宮内膜ポリープ切除術とは

子宮内膜ポリープ手術は、子宮内膜に発生したポリープ(良性の腫瘍)を取り除くための手術です。

ポリープは子宮内にできる小さな隆起や突起で、不正性器出血や過多月経、着床障害による不妊の原因となることがあります。手術によって、これらの症状の改善や妊娠率向上を目指します。

手術の内容

必要に応じて(病変が大きい場合)、子宮の入り口(子宮頸管)を細い棒状の器具で拡張します。
静脈麻酔下で、膣からカメラ(子宮鏡)を挿入し、子宮内を観察しながら病変を切除します。

合併症

手術に伴うリスクとして、以下のような合併症が考えられます。

出血

稀に多量の出血が起こり、輸血が必要となる場合があります。

子宮内感染

術前に抗菌薬を投与して感染予防を行います。術後1ヶ月間は、感染兆候(発熱、下腹部痛、異常なおりもの)に注意が必要です。感染が起きた場合は抗菌剤で治療します。

病変の遺残

特に粘膜下筋腫の場合、筋層に埋もれた部分を完全に切除するのは困難なことがあり、病変の一部が残る可能性があります。
また、良性であっても再発や別の部位への新たな発生が起こることがあります。

水中毒

特殊な灌流液を使用して子宮内腔を充満させて手術を行いますが、稀に灌流液が血管内に多量に流入し、体内の電解質バランスが崩れる恐れがあります。

子宮の損傷や穿孔

手術中に子宮を傷つける、または穴を開けてしまう(子宮穿孔)可能性があります。隣接する膀胱や腸管、血管に損傷が及ぶこともあり、大きな損傷が生じた場合は緊急手術が必要になることがあります。

子宮内腔の癒着

手術による炎症や損傷が原因で、子宮内腔が癒着する場合があります。予防のために、術後に子宮内器具を挿入したり、ホルモン剤を使用する場合があります。

下肢静脈血栓症・肺塞栓症

手術中にできた血栓が肺の血管を詰まらせることがあり、呼吸困難や胸痛、動悸などの症状が現れることがあります。稀に致命的な場合があります。

薬剤アレルギー

使用する薬剤によるアレルギー反応が起こることがあります。

術後の妊娠への影響

切除範囲や深さによって、癒着胎盤や子宮破裂のリスクが生じる場合があります。そのため、必要に応じて帝王切開を推奨することがあります。

費用

子宮鏡下子宮内膜ポリープ切除術にかかる治療費は、66,300円(3割負担の場合)となります。

※上記金額は健康保険適用後の目安です。

詳しい費用やお支払い方法については、スタッフまでお気軽にお問い合わせください。

流産手術とは

流産手術では、手術器具を子宮内に挿入して胎児組織を取り除きます。この手術は、中絶手術と処置内容自体は同じですが、子宮内で胎児が発育していない、またはすでに亡くなっている場合に「流産手術」として行われます。

一般的に初期流産手術では、以下の方法が選ばれます。

  • 掻把法

     

  • 吸引法
    吸引法のうち「MVA法(手動真空吸引法)」は、WHOが推奨する身体への負担が少ない方法です。

自然排出(身体が自然に排出すること)と比較したメリットとデメリットは以下の通りです。

メリット

手術により予定した日に確実に胎児組織を排出できる。

デメリット

手術費用がかかる

費用

流産手術 (妊娠11週まで)にかかる治療費は、12,000円(3割負担の場合)となります。

※上記金額は健康保険適用後の目安です。

詳しい費用やお支払い方法については、スタッフまでお気軽にお問い合わせください。

術後の過ごし方

手術後は一定期間、無理をせず安静に過ごす必要があります。以下の点に注意しながら、リラックスできる環境でお過ごしください。

運動の制限

手術後1週間ほどは、激しい運動や体に負担をかける行為は避けてください。
軽い日常生活は問題ありませんが、重い物を持ち上げたり長時間立ち続ける行為は控えましょう。

性行為の制限

子宮鏡下手術や流産手術後は、少なくとも1〜2週間の性行為を避けることが推奨されます。
医師と相談の上、体の状態に応じた指導を受けてください。

入浴・シャワーの制限

手術直後は入浴を避け、シャワーのみ許可されることが一般的です。
浴槽に浸かるのは、1週間程度控えることをおすすめします。

食生活についての
アドバイス

術後の回復を早めるため、栄養バランスの取れた食事を心がけてください。
特にたんぱく質やビタミン類を積極的に摂取しましょう。
アルコールやカフェイン、辛い食べ物などの刺激物は体に負担をかける可能性があるため、数日間控えることをおすすめします。

 出血や痛みがでた場合

術後に少量の出血があることは一般的ですが、大量の出血や持続する強い痛みがある場合は、速やかに医師に相談してください。
処方された鎮痛剤で対処できますが、薬が効かない場合や痛みが続く場合も再度相談をおすすめします。

定期的な診察を
受けましょう

手術後、数日から1週間以内に術後の状態を確認するための再診が必要です。
医師が術後の回復状態を確認し、問題がないか検査します。
再発や新たな問題を早期に発見するため、年に1~2回程度の定期健診を受けることを推奨します。