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当院の不妊検査

当院で行う不妊検査

当院で行う不妊症検査 不妊治療を始めるにあたり、まずは患者さまのお体の状態を詳しく知ることが大切です。当院では、さまざまな検査を通じて、患者さま一人ひとりに合った治療方針をご提案しています。ここでは、検査の目的や特徴についてわかりやすくご紹介します。

高度な不妊検査(先進医療:現在施設申請中)

ERA検査 (子宮内膜着床機能検査)

子宮内膜着床能検査(ERA)は、受精卵が子宮内膜に着床するための最適なタイミングを特定する検査です。
この検査では、子宮内膜を採取し、着床に関わる236個の発現遺伝子を解析することで、個々の患者さまに合った着床の窓を特定することが可能です。検査結果を基に、特定されたタイミングに胚移植を行い、妊娠の可能性を高めます。

子宮内膜着床能検査(ERA)の費用について

子宮内膜着床能検査は先進医療に該当するため、検査費用は患者さまの自己負担となります。なお、先進医療以外の診察や検査、処方に関しては、保険が適用されますのでご安心ください。

費用 110,000円(税込)

SEET法(子宮内膜刺激胚移植法)

SEET法は、胚が成長した環境の液体を先に子宮に入れることで、子宮内膜の受容性を高め、着床しやすい環境を整える方法です。この方法では、胚が放出する成長因子やサイトカインを含む培養液を用いることで、子宮内膜の受容性を高め、着床率の向上が期待できます。特に反復着床不全の患者さまに対して効果が期待されます。

特に以下のケースで有効です

  • 良好胚を移植しても着床に至らない場合
  • 複数回の胚移植で妊娠に至らなかった場合

SEET法(子宮内膜刺激胚移植法)の費用について

SEET法は保険適用外の先進医療となるため、費用は患者さまの自己負担となります。診察や通常の検査、投薬については保険が適用されますのでご安心ください。

費用 (税込)

EMMA/ALICE 検査

EMMA/ALICE検査は、子宮内環境を詳細に分析する先進的な検査で、子宮内にどのような細菌がいるか、そしてそれが着床に悪影響を与えていないかを調べる検査です。この検査では、子宮内膜のサンプルを採取し、次世代シーケンス技術を用いて解析することで、着床障害の原因となる可能性のある微生物環境の異常を特定します。

特に以下のケースで有効です

  • 反復着床不全がある場合
  • 原因不明の不妊や流産を経験している場合
  • 子宮内感染症が疑われる場合

EMMA/ALICE検査の費用について

これらの検査は先進医療に該当するため、検査費用は患者さまの自己負担となります。通常の診察や処置については保険が適用されます。

費用 55,000円(税込)

TRIO検査

TRIO検査は、ERA(子宮内膜着床能検査)、EMMA(子宮内膜微生物叢検査)、ALICE(子宮内感染症検査)の3つを組み合わせた総合的な検査パッケージです。この検査を行うことで、精度高く着床をサポートする治療が可能になります。

特に以下のケースで有効です

  • 反復着床不全がある場合
  • 着床不良や流産を繰り返している場合

TRIO検査の費用について

TRIO検査は先進医療に該当するため、検査費用は患者さまの自己負担となります。通常の診察や処置については保険が適用されます。

費用 143,000円(税込)

CD138検査

CD138検査は、子宮内膜の炎症状態を評価することで、着床障害の原因となっている可能性のある慢性炎症を検出する方法です。この検査では、子宮内膜の組織検体を採取し、CD138というマーカーを持つ形質細胞の存在を確認します。形質細胞の増加が見られる場合、慢性子宮内膜炎と診断され、適切な抗生物質治療が行われます。特に反復着床不全や反復流産の患者さまの原因究明に役立ちます。

特に以下のケースで有効です

  • 反復着床不全がある場合
  • 着床不良や流産を繰り返している場合
  • 原因不明の不妊で他の検査で異常が見られない場合

CD138検査の費用について

CD138検査は一般的に保険適用外の検査となるため、費用は患者さまの自己負担となります。ただし、診察や通常の検査については保険が適用されますのでご安心ください。

費用 16,500円(税込)

PGT-A検査

PGT-A検査(着床前胚染色体異数性検査)は、胚盤胞から少数の細胞を採取し、全ての染色体の数的異常を調べることで、正常な染色体数を持つ胚を選別する方法です。この検査では、胚の染色体構成を分析することで、流産リスクの低減や着床率の向上が期待できます。特に高齢妊娠、反復流産、反復着床不全の患者さまに対して効果が期待されます。

特に以下のケースで有効です

  • 高齢(35歳以上)の方
  • 複数回の流産を経験している場合
  • 良好胚を移植しても妊娠に至らない場合
  • 反復着床不全の場合

PGT-A検査の費用について

PGT-A検査は保険適用外の先進医療となるため、費用は患者さまの自己負担となります。診察や通常の体外受精・胚培養の過程については保険が適用される場合がありますのでご相談ください。

費用 円(税込)

一般的な検査

AMH検査

AMH検査は、卵巣予備能(残存卵子数の目安)を評価する血液検査です。簡単に言うと、卵巣にどれくらい卵子が残っているかの目安を調べる検査です。この検査では、血液中の抗ミュラー管ホルモン(AMH)の濃度を測定し、卵巣内の原始卵胞数を推定します。AMH値は排卵誘発剤への反応性や残りの生殖期間を予測する上で重要な指標となります。

特に以下のケースで有効です

  • 不妊治療を始める前の基本検査として
  • 排卵誘発剤の適切な投与量を決定する際
  • 早発閉経のリスク評価

AMH検査の費用について

AMH検査は一部の施設では保険適用となる場合がありますが、自費診療となることも多いです。

費用 円(税込)

子宮卵管造影法(HSG)

子宮卵管造影法は、卵管の通過性と子宮腔の形態を評価する検査です。簡単に言うと、卵子が通る管(卵管)に詰まりがないか、子宮の形に異常がないかを調べる検査です。この検査では、子宮腔内に特殊な造影剤を注入し、X線撮影を行うことで、卵管の通過性や子宮内腔の状態を視覚化します。卵管閉塞は不妊の主要な原因の一つであり、この検査によって治療方針を決定する重要な情報が得られます。

特に以下のケースで有効です

  • 不妊検査の基本検査として
  • 卵管性不妊が疑われる場合
  • 子宮奇形が疑われる場合

子宮卵管造影法の費用について

子宮卵管造影法は一般的に保険適用となります。

費用 円(税込)

子宮鏡検査

子宮鏡検査は、子宮内腔を直接観察する検査です。簡単に言うと、特殊な細い内視鏡を用いて子宮の中を直接観察し、ポリープや筋腫、癒着などの異常を発見する検査です。この検査では、子宮頸部から細い内視鏡を挿入し、子宮内腔を詳細に観察します。場合によっては、同時に病変の切除や治療も行うことができます。

特に以下のケースで有効です

  • 子宮内膜ポリープや粘膜下筋腫が疑われる場合
  • 子宮内腔の癒着が疑われる場合
  • 反復着床不全や反復流産を経験している場合

子宮鏡検査の費用について

子宮鏡検査は診断目的であれば保険適用となることが多いですが、治療を伴う場合は一部自己負担となることがあります。

費用 円(税込)
 

甲状腺検査

甲状腺検査は、甲状腺ホルモンの分泌状態を評価する血液検査です。簡単に言うと、甲状腺の機能が正常かどうかを調べる検査で、甲状腺機能の異常は不妊や流産のリスクを高める可能性があります。この検査では、血液中のTSH(甲状腺刺激ホルモン)、FT4(遊離サイロキシン)、FT3(遊離トリヨードサイロニン)などの濃度を測定します。甲状腺機能異常は排卵障害や着床障害の原因となることがあります。

特に以下のケースで有効です

  • 不妊治療を始める前の基本検査として
  • 月経不順がある場合
  • 反復流産を経験している場合

甲状腺検査の費用について

甲状腺検査は一般的に保険適用となります。

費用 円(税込)
 

糖尿病検査

糖尿病検査は、血糖値のコントロール状態を評価する検査です。簡単に言うと、血液中の糖分が多すぎないかを調べる検査で、高血糖は妊娠率低下や流産、妊娠合併症のリスク因子となります。この検査では、空腹時血糖値やHbA1c(ヘモグロビンA1c)などを測定し、糖代謝の状態を評価します。血糖コントロールの不良は胎児の先天異常リスクも高めるため、妊娠前から適切な管理が重要です。

特に以下のケースで有効です

  • 多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)を有する場合
  • 肥満がある場合
  • 家族歴に糖尿病がある場合

糖尿病検査の費用について

糖尿病検査は一般的に保険適用となります。

費用 (税込)

基本的な不妊検査

精液検査

精液検査は、男性が受ける不妊検査の中でも最も一般的な検査です。2~7日の禁欲期間を経て、マスターベーションで採取した精液を顕微鏡で観察し、以下の項目を確認します。

精液の量 どのくらいの液量があるか
精子の濃度 1mlあたりにどれくらいの精子がいるか
精子の形態や 運動率 精子の形や、動いている精子の割合

精子がまったく確認されない場合は「無精子症」、精液1mlあたりの精子が1,600万個未満の場合は「乏精子症」と診断されます。ただし、精液の状態は体調や生活習慣の影響を受けやすいため、必要に応じて再検査を行うことがあります。

不妊の原因について 不妊の原因の約半数は男性側にあると言われています。そのため、「もしかして不妊症かも」と感じた場合は、ご夫婦で検査を受けることをおすすめします。男性側の検査を行うことで、より早く適切な治療方針を立てることができます。

費用

精液検査は保険が適用されます。1回の検査費用は約240円(3割負担の場合)です。

POC検査

POC検査とは、胎嚢(受精卵が子宮内膜に着床して形成される「赤ちゃんの部屋」)が確認された後に流産が起きた場合、胎児の染色体異常の有無を調べる検査です。この検査により、流産の原因が染色体異常によるものか、その他の要因を考慮すべきかを判断し、その後の治療方針を明確にすることができます。

検査結果による治療方針

染色体異常が認められた場合

染色体異常は多くの場合偶然に起こり、ご夫婦の生活習慣や行動とは関係ありません。この場合、通常はこれまでの治療方針を継続します。

染色体異常が認められなかった場合

流産の原因が他の要因に関連している可能性があります。必要に応じて追加検査や生活改善指導を行い、その結果を踏まえて治療方針を見直すこともあります。

超音波検査

超音波検査は、プローブという機器を膣内に挿入し、超音波を発生させて子宮や卵巣の状態を観察する検査です。この検査では、卵胞を確認することで排卵日を予測することができます。また、黄体期(排卵後から月経開始までの期間)に実施することで、卵胞の消失確認や子宮内膜の厚さを測定することも可能です。さらに、子宮筋腫や卵巣嚢腫、ポリープなどの発見にも役立つ検査です。

費用

超音波検査は、1カ月あたり2回まで保険が適用されます。3割負担の場合、1回の検査費用は約1,600円です。

基礎体温の測定

基礎体温を毎朝測定し、記録することで、排卵の有無やホルモンバランスの状態を確認することができます。長期的に記録を続けることで、治療の重要な参考資料となり、より的確な治療方針の設定に役立ちます。

ホルモン測定

ホルモンの分泌状態は、妊娠に大きな影響を与えます。当院では、ホルモン測定を行い、卵巣や下垂体ホルモン、甲状腺、糖尿病関連のホルモンレベルをチェックしています。これにより、排卵や月経周期に関わる異常を早期に発見し、適切な治療に繋げます。
ホルモンバランスの異常は、不妊の原因となることが多いため、この検査は治療の大切なステップとなります。気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。

不妊検査に関するよくある質問

不妊検査を受けるタイミングはいつですか?

不妊治療にかかる期間は人(ご夫婦)によって異なり、年齢の影響も大きな要因となります。一般的には、35歳未満の方は「避妊をせず12カ月以上妊娠が成立しない場合」、35〜40歳の方は「6カ月以上妊娠が成立しない場合」に、不妊症の可能性があると考えられています。ただし、不妊症のリスクが高い場合には、早めの受診が推奨されます。
そのため、「もしかしたら不妊症かもしれない」と感じた時が、不妊検査を受けるタイミングです。検査を迷っている期間は、ご夫婦のストレスとなり、体調にも影響することがあります。「数カ月は自分たちで頑張りたい」というお気持ちは大切に尊重いたしますが、まずは現状を確認し、見通しを立てるためにお気軽にご相談ください。

不妊検査にはどのくらいの期間がかかりますか?

不妊検査の期間は、検査内容やタイミング、受診可能なスケジュールによって異なりますが、多くの場合、1か月以内に結果が得られることが一般的です。

基本的な検査(血液検査やホルモン測定など)

数日で結果が出るため、比較的早く診断や治療計画を進めることができます。

検査時期が決まっている検査(卵管造影検査、子宮鏡検査など)

月経周期に合わせて行う必要があるため、スケジュールにより実施時期が変わります。

特殊な検査(子宮内膜着床能検査(ERA)や遺伝子検査など)

結果が出るまでに2〜3週間かかる場合があります。
検査にかかる期間は、患者さまの状態や検査内容によって異なります。詳しいスケジュールや疑問点については、担当医にお気軽にご相談ください。不安なことがあれば、いつでもお尋ねください。

不妊検査は痛みを伴いますか?

検査内容によっては、完全に無痛で行うことが難しい場合もあります。例えば、卵管造影検査や子宮鏡検査では、軽い痛みや不快感を感じることがあります。ただし、事前に十分な説明を行い、検査中はお声がけをしながらリラックスしていただけるよう配慮しています。一つひとつの手技を丁寧に進めることで、できるだけ痛みを感じにくくするよう努めています。
もし痛みが強い場合には、痛み止めを使用する、または検査を中止する選択肢もございますので、ご安心ください。過度に不安を感じる必要はありませんので、まずはお気軽にご相談ください。

不妊検査は保険適用されますか?

不妊症の診断を目的とした検査には、保険が適用される場合があります。女性不妊、男性不妊、原因不明の不妊(機能不妊)の診断を目的とした場合、以下のような検査が対象です

ホルモン採血や卵巣予備能の検査など
一方で、保険が適用されない検査をご希望される場合や、当院からご提案する場合には、事前に丁寧にご説明し、詳しい料金をご提示いたします。患者さまに納得いただいた上で検査を進めてまいりますので、どうぞ安心してご相談ください。

診察 おりものの異常などの確認
画像検査 超音波検査、子宮鏡検査、卵管造影検査
血液検査 ホルモン採血や卵巣予備能の検査など
一方で、保険が適用されない検査をご希望される場合や、当院からご提案する場合には、事前に丁寧にご説明し、詳しい料金をご提示いたします。患者さまに納得いただいた上で検査を進めてまいりますので、どうぞ安心してご相談ください。

不妊検査は妻だけで受けられますか?男性側の検査も必要ですか?

女性側だけで検査を受けることも可能です。ただし、不妊の原因の約半分は男性側にあると言われています。そのため、できるだけご夫婦で不妊検査を受けられることをおすすめします。
男性側の検査については、ご来院が必須ではありません。精液を採取する専用の容器をお渡ししますので、自宅で採取したものを奥様が持参していただく形で対応できます。もちろん、お二人揃ってご来院いただき、一緒に検査を進めることも可能です。
不安なことやご質問があれば、どうぞお気軽にご相談ください。