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日本女性の平均閉経年齢は50.5歳で、この閉経前後の10年間(45~55歳)を更年期と言います。
この期間中にのぼせ感、発汗、頭痛、めまい、肩こり、易疲労感、イライラ感、不安感、不眠などの多彩な症状を訴え、その程度がきつく日常生活に支障をきたす状態を更年期障害と言います。
① 女性ホルモン要因 | :閉経による女性ホルモンの低下、欠乏に身体が順応できない |
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② 環境要因 | :家庭内や職場でのストレスなど |
③ 気質要因 | :クヨクヨ考え込んでしまう性格など |
この3つの要因を踏まえて充分問診し、女性ホルモン値・甲状腺ホルモン値測定、
質問形式の更年期スコアリングなどを参考にして診断します。
更年期障害の治療には、下記のようなものがあります。
① ホルモン補充療法 | :理屈に合った一般的な治療法です。約80%の改善率。 |
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② 漢方薬療法 | :ホルモン補充療法と同等の効果を示す症例もあります。 |
③ 向精神薬療法 | :うつ傾向が強い場合には心療内科にも相談が必要です。 |
④ 非薬物療法 | :心理療法や生活習慣改善指導 |
女性ホルモンの低下、欠乏に起因する症状に対して、女性ホルモンを補充する治療法で、
更年期障害に対する第1選択の治療法です。
方法 | 色々な方法がありますが、経皮パッチ(テープ)で卵胞ホルモン、 経口で黄体ホルモンを補充して、毎回月経様出血を起こす 周期的併用投与方が標準的です。 子宮摘出後の方は経皮パッチでの卵胞ホルモン単独持続投与が標準です。 |
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重篤な副作用 | 血栓症が約2倍(患者数で言うと1000人/あたり1名未満の増加)、 脳卒中が約1.4倍に、また乳癌も5年以上の投与で1.26倍に増加するとの 報告があります。 |
使用できない症例 | 肝機能障害・乳癌・子宮内膜癌・血栓性静脈炎・血栓塞栓症・脳卒中・ 冠動脈疾患などの症例、これに60歳以上の新規投与・肥満者などには 慎重投与です。 |
治療中の管理方法は? | 投与前:身長、体重、血圧測定、血液検査(貧血・肝機能・脂質)超音波検査、 子宮頚部・体部癌検診、乳がん検診を行います。 投与中:上記の検査を1年毎に行います。 |
まず貼る場所を同じにしないで変えてください。
それでも赤くなるのであれば貼り薬ではなく錠剤やジェルタイプの擦り込むタイプの薬もありますので早い目に相談してください。
ホルモン補充療法は毎回月経様の出血をおこす周期療法が標準です。
しかし、どうしても毎回の月経様出血は困ると言われる方には卵胞ホルモンと黄体ホルモンの両方を量を減らして持続的に服用したり、両方が含有されるテープを持続的に使用して月経様出血を起こさない方法もあります。
しかし、少量ですが不正出血を起こすこともあり、また子宮内膜面のチェックも周期療法よりは頻回に行います。
明確な終了時期の指針はありません。
ですが2~3年で中断して症状評価を行うことが一般的であり、原則5年間で終了する場合が多いと思います。
長期間使用する場合はメリットとデメリットを充分説明したうえで、最後は患者さん本人の判断にお任せしています。
今のあなたの卵巣の状態ですが、まず血中ホルモン値を測定して卵巣機能の回復が見込めない早発閉経(40歳未満の閉経)なのかどうかを診断します。
早発閉経の状態であれば、日本人の閉経が平均50歳と考えれば、あなたは閉経が約10年前倒しで起こっており、今後も慢性的に女性ホルモンの欠乏状態が持続するわけです。
骨粗しょう症や卵巣機能欠落症状(早い話が老化)を予防するためにもホルモン補充療法をお勧めいたします。
月経が1か月ごとに来ていると言うことですので、おそらく排卵はあるものと思います。
念のために採血してホルモン値は測定しますが、排卵があれば卵胞ホルモンもそれなりに分泌されていますので、まずは漢方薬や入眠剤を処方してみます。