卵管留水腫とは
子宮から腹腔へと延びる管のことを「卵管」と言います。このうち、腹腔内にありイソギンチャクのような形をした卵管采は、卵巣で成熟した卵胞を吸い上げる(ピックアップ)役割を担っています。
卵管留水腫とは、卵管の中に液体が溜まり、卵管が腫れる病気です。主に骨盤内の炎症や子宮内膜症による卵管采(卵巣から卵胞を吸い上げる部分)の障害が原因で発生します。卵管留水腫は、卵子のピックアップが困難になるため、不妊の原因になることがあります。また、卵管内に血液(卵管留血腫)や膿(卵管留膿腫)が溜まるケースも見られます。
卵管留水腫の自覚症状
卵管留水腫は自覚症状が乏しい場合が多いですが、以下の症状が見られることがあります。
- おりものの増加
- 赤褐色のおりもの
- 不正出血(生理以外の出血)
- 下腹部痛や発熱(感染を伴う場合)
典型的な症状は、赤褐色でさらさらとした大量のおりものです。これ以外の症状が軽度であるため、診断が遅れることも少なくありません。
卵管留水腫の原因
卵管留水腫の主な原因は以下の通りです。
- 骨盤内の炎症
- 子宮内膜症
- 性感染症(特にクラミジア感染症)
- 過去の腹部手術
卵管内の液体が子宮内に流れ込むと、着床障害や流産を引き起こす可能性があります。
卵管留水腫はエコーでわかる?診断・検査方法
超音波検査
- 卵巣や子宮周辺を超音波で観察します。
- ソーセージ状の低輝度の影が確認されることがありますが、月経周期によって診断が難しい場合もあります。
子宮卵管造影検査
- 造影剤を使用し、X線で卵管の状態を確認します。
- 卵管の閉塞や液体の貯留の有無を詳細に評価する重要な検査です。
卵管留水腫の治療法
卵管留水腫の治療には、以下の方法が検討されます。
卵管切除術
- 卵管を完全に切除する手術です。
- 不妊治療を希望する患者様において、体外受精の成功率向上が期待されます。
卵管開口術
卵管を部分的に切開し、液体を腹腔に排出させる手術です。
卵管閉塞術
卵管液が子宮に逆流しないよう、卵管と子宮を切り離し、閉塞させる手術です。
卵管留水腫の水抜きとは?
「水抜き」とは、超音波ガイド下で針を用いて経膣的に卵管内の液体を吸引する処置です。この方法により一時的に卵管の圧力が下がり、卵巣や卵管の機能が改善する場合があります。
注意点
- 水抜きは一時的な措置であり、根本的な治療ではありません。
- 液体が再び溜まるリスクがあるため、必要に応じて手術が推奨されます。
卵管留水腫は、適切な診断と治療で妊娠の可能性を高めることができます。不妊が疑われる場合や上記の症状が見られる場合は、早めに専門医にご相談ください。